「10月26日」は日本サッカーにとって不吉な数字と思われた
試合翌日の早朝、バスで空港に向かう選手を見送ろうとホテルのロビーで待っていた。すると石井監督が近寄ってきて握手を求められた。それまで石井監督の守備的なサッカーを批判してきたので練習後の囲み取材など、質問しても無視されてきたために正直意外だった。
ともあれ、東京でのリターンマッチで引き分ければ、1968年メキシコ五輪以来の五輪本大会出場が決まる。
しかし10月26日、雨中の国立競技場で石井ジャパンは0-2で完敗した。
試合後の記者会見ではなぜか会見場に紛れ込んだファンの一人が、石井監督の前に座り込んで嗚咽を漏らしていた。それを咎めるサッカー関係者もいない。誰もが敗戦に打ちひしがれた。2年前の10月26日も国立競技場で韓国に1-2で敗れ、メキシコW杯の出場権を逃した。
「10.26」は、日本サッカーにとって不吉な数字と思われた。
■「W杯は国開催」「五輪は都市開催」が原則のはずだが…
後日譚としてーー。