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植月正章元アシックス営業本部長

1938(昭和13)年、鳥取県智頭町生まれ。57年オニツカ㈱入社、77年㈱アシックス推進部長、84年理事、88年取締役販売促進部長、93年常務取締役アスレチック事業本部長、99年専務取締役フットウエア営業本部長。2003年任期満了に伴い退任後、兵庫陸上競技協会会長、神戸市体育協会副会長、兵庫県体育協会副会長、神戸マラソン実行委員会会長、近畿陸上競技協会会長などを歴任。

<4>「東洋の魔女」を口説くため、仕事が終わるとニチボー貝塚へ日参した

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 そして迎えた70年。前年10月、ニチボーが日本レイヨンと合併。社名がユニチカとなり、チームもユニチカ貝塚に変わった。日本リーグなどを制したユニチカの小島さんが初の全日本監督に決まった。貝塚のコートでは、ユニチカと全日本の2チームが練習することになった。この頃は全日本のメンバーと会話する機会も増え、小島監督からは名前を呼ばれるまでになった。

「ユニチカは無理でも、全日本ならオニツカを履いてくれるかもしれない」

 そんな思いが通じたわけでもないだろうが、小島監督から「植月君、どうせやるなら全日本の球拾いをやってくれよ」と言われた。

 ブルガリアでの世界選手権は9月22日開幕。全日本の練習は日に日に厳しさを増していく。ユニチカといえば大松監督の時代から「つなぐバレー」が持ち味。全日本の合宿ではレシーブ時間に多くの時間が割かれ、ボール拾いも忙しくなった。

 世界バレーを翌月に控えた8月初旬、和歌山県の全国高校総体(会場は10府県)で、オニツカは奈良県の会場に売店を出していた。ある日、上司から電話があった。

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