米女子体操シモーン・バイルス 性的虐待を受けたスーパースターの矜持
五輪連覇を狙う米国女子体操界を牽引するスーパースターで、チームドクターによる性的虐待を主張したシモーン・バイルス(24)を、「それでも彼女は立ち上がる。立ち上がる。また立ち上がる」との見出しで扱ったのが24日付「ニューヨーク・タイムズ紙」(電子版)だ。
この記事は「バイルスはずっと東京五輪を望んでいた。それが早く始まることをではなく、終わってくれることを」という刺激的な書き出しでスタート。「バイルスは前回のリオ大会で体操のため、国のためにすべてを捧げ、米国女子体操チームを五輪連覇に導いた。個人としても3つの金メダルを獲得。しかし、そのリオ大会終了後、すぐにチームドクターの選手に対する性的虐待という大スキャンダルが発覚、時が経つにつれ自らも被害者のひとりであり、身体的、精神的虐待を受けていたことに気付いた」という。
体操は採点競技。勝敗には審判のジャッジが大きく影響する。ゆえに協会や審判に悪い印象を与えることを恐れ、言いたいことを心にしまい込むのが選手の常だったが、バイルスは違った。
「私は米国代表、(自分が所属する)世界チャンピオンセンター代表、そして世界中の黒人や褐色の肌の女の子たちの代表なの。決して米国体操協会を代表しているわけじゃない」