巨人との首位攻防戦で活躍 阪神の黒歴史を覆す大山悠輔の不思議な魅力
先週末の阪神―巨人戦は実に見応えがあった。
ペナントレースも終盤に差しかかった9月の甲子園。阪神と巨人が僅差の優勝争い(ヤクルトも含めて)を繰り広げる中で行われた、首位攻防の直接対決。阪神が絶賛失速中で首位陥落、主砲の大山悠輔と佐藤輝明が不振に喘いでいる一方、対する巨人はただでさえ優勝経験が豊富なうえ、エース・菅野智之が復活し、4番・岡本和真の打棒は衰え知らずの上昇気流というチーム状況だった。
このパターン、古い阪神ファンなら嫌な予感しかしないだろう。私もその一人で、過去のさまざまな苦い記憶がとめどなく蘇ってきて、戦う前から早くも覚悟を決めた状態であった。阪神が巨人に惨敗して優勝争いから転落する覚悟である。
もちろん、子供のころから応援してきた阪神に負けてほしいわけじゃない。だけど、どうしても巨人との優勝争いには良い思い出がない。有名なのは2008年の岡田阪神時代の世紀の大逆転負けだけど、それ以外でもここ一番の天王山では、いつだって我が阪神は巨人の前に屈してきた。