阪神がプロ・アマ規定違反! 天理・達孝太投手とプロ志望届「提出前」に面談していた
「(加盟校に)報告書の提出を求めており、報告書を見た上で、対応を検討させていただきます」
日本高野連の小倉好正事務局長がこう言った。
阪神のスカウトが先日、10日にプロ志望届を出したドラフト1位候補の天理・達孝太投手(3年)に対し、プロ志望届提出前に面談していたことが日刊ゲンダイの調べで分かった。その事実を確認中の高野連は近日中に、何らかの対応を下す可能性がある。
現行のプロ・アマ規定では、プロ側が高校生と大学生と接触できるのは「プロ志望届提出後」という決まりがある。この規定に関与していないメジャー球団も日本球界との「紳士協定」により、プロ志望届提出前の接触を避けているのが現状だ。
今年のドラフト1位候補では、市和歌山・小園健太投手が巨人やソフトバンクなどと面談しているが、当然のことながら高野連にプロ志望届を提出した後のこと。2012年、メジャー挑戦を視野に入れていた大谷翔平(花巻東→日本ハム)も、プロ志望届を出した上で日米球団との面談に臨んだ。
高野連だけでなく阪神球団からもペナルティーか
そんなのは基本のキであり、プロのスカウトでなくても知っていること。ある球団のベテランスカウトは、「阪神は脇が甘すぎます」と、こう続ける。
「学校の練習を視察した時などにヒッソリ、『元気でやっているか?』なんて挨拶することもあるが、まずは顔を覚えてもらうために試合や学校に日参し、向こうから挨拶してくれるような関係をつくることから始まる。1位指名はクジ引きだから、確実に取れる保証はないものの、交渉権を獲得した後に入団拒否されることだけは避けないといけませんからね。でも今回は、面談したうえにスカウトが一部メディアの取材にも答えていたというんだから、話になりませんよ」
ルール違反スレスレのスカウティングは日常茶飯事としても、今回は完全にルール破りだ。
「阪神は今年のドラフトで高校生を1位指名する方針と聞いている。達投手も1位候補の一人で、面談一番乗りをアピールしたかったのかもしれない。しかし、これでは達投手にも迷惑がかかるし、どんな理由があったにせよ、無罪放免となれば示しがつかない。担当スカウトやスカウト部門の責任者は、高野連だけでなく阪神球団からもペナルティーが科されるでしょう」とは、球界OBだ。