柔道男子100キロ級「金」団体混合「銀」ウルフアロン<3>リハビリと練習で1日200キロを大移動した
ウルフアロン(25歳、柔道男子100キロ級・金メダル、団体混合・銀メダル/了徳寺大職)
「これだけは絶対に妥協しませんでした」
大会3カ月前からスタミナ強化のために走り込みを始めたウルフが振り返る。
「自宅から3キロほど離れた山まで走っていって、そこにある長い階段でダッシュを10本。どれだけ疲労がたまっていても“週3回”は必ずやると決めていました。最初はキツくても次第に余裕でこなせるようになったことや、ルールを守り切れたことも自信につながりましたね」
痛めていた右膝がこれに耐えることができたのは、リハビリのたまものだ。東京・北区にある国立スポーツ科学センター(JISS)に多いときで週3、4回通う生活を続けていたからだ。
「半月板の故障によって変わってしまった膝の感覚に慣れるため、動かし方の確認のトレーニングを重点的にしました。悪い方の膝を固定しながら、もう片方の足を動かしたり、ケンケンで素早く動かしたりといったことに取り組みました」
神奈川県の自宅からJISSまで片道70キロ超。長距離移動を可能にしたのは、昨秋に購入した愛車だった。免許取得は昨年9月にさかのぼる。