柔道男子100キロ級「金」団体混合「銀」ウルフアロン<3>リハビリと練習で1日200キロを大移動した
「大きい車体で、他の柔道選手とかぶらないものはなにかと考えて、走行距離が1万キロほどの中古のランドクルーザーを買いました。JISSでリハビリしてから、多摩にある国士舘大で練習して、帰宅すると1日200キロ弱。すでにもう3万キロは走っています(笑い)」
7月25日、直前調整の合宿でNTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)に入った。
そこで、より一層金メダルへの思いが強まる出来事があった。
■井上監督からのサプライズ
「試合2日前の27日の夜でした。10時ごろに、井上監督が僕の部屋まで来て、お守りと手紙を渡してくれたんです。井上監督は会場付近に泊まっていたのに、81キロ級の試合を終えたその足で、わざわざ赤羽まで来ていただいて。(手紙の内容は)言える範囲だと『一緒に勝とう』と。僕と同じ100キロ級の柔道家で、大学の先輩かつ、先生。ひとりの人間としても尊敬できる方です。担当のコーチが付いているので、それを考慮してか、ほとんど直接指導を受けることもなかったから、すごく驚いた。井上監督の任期は東京五輪まで。必ず勝ってやろうと奮い立ちました」