竜巻被害への対応で露呈した大リーグ機構の思惑…労使対立を有利に解決するための手段に?
今回の竜巻は球界にも被害を与えた。
例えば、大リーグの審判であるトリップ・ギブソンはケンタッキー州メイフィールドの自宅が大破し、同州ドーソン・スプリングスの球場、ドーソン・スプリングス・シティー・パークもフェンスが倒壊するなど大きな被害を受けている。
■支援を呼び掛けながらツイートを無視
しかし、大リーグ機構はSNS上でギブソンの自宅の修復にかかる費用の支援や米国赤十字社への募金を呼び掛けるものの、ケンタッキー州出身のESPN司会者マイケル・イーブスがツイッター上で機構や各球団に球場の復旧支援を呼びかけても何の反応も示していない。
大リーグ審判員組合との労使協定は2024年まで有効である。現在機構と球団経営陣は労使協定の更新を巡り選手会側と対立し、使用者側による施設封鎖が行われている。
こうした状況を考えれば、機構はギブソンへの支援を呼びかけることで審判員組合に恩を売り、間接的に組合による機構・球団経営者側への支持や労使交渉への不介入を求めているといえる。