著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

竜巻被害への対応で露呈した大リーグ機構の思惑…労使対立を有利に解決するための手段に?

公開日: 更新日:

 現地時間の12月10日にケンタッキー州など米国の南部から中西部の6州で起きた強い竜巻は、多数の死者や行方不明者をもたらす大惨事となった。

 15日に大統領のジョー・バイデンがケンタッキー州を視察して被害者の手を取って慰めの言葉をかけるとともに、竜巻の発生から30日間の緊急対策費用を連邦政府が全額負担すると表明したことは、政権として事態を深刻に受け止め、被害者への支援を惜しまない姿勢を示すものだ。

 バイデンが対応策を迅速に示すのは、2005年にルイジアナ州などが被害を受けたハリケーン・カトリーナの教訓に学んだ結果である。

 カトリーナは1300人を超える犠牲者と1250億ドルの被害をもたらした米国史上最大級の大災害であった。

 それとともに、救援活動や治安維持などを含め、当時のブッシュ政権の対応は不十分だと批判され、政権の支持率が低下した。

 こうした過去を踏まえれば、与野党を問わず「政権の顔」とされた副大統領のカマラ・ハリスの能力が疑問視され、政権の発足から1年と経たないうちに支持率の低下に直面しているバイデンにとって、対応に注力する姿勢を示すことは政権の信認を高めるためにも不可欠となる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  3. 3

    カブス鈴木誠也が電撃移籍秒読みか…《条件付きで了承するのでは》と関係者

  4. 4

    優勝の祝儀で5000万円も タニマチに頼る“ごっつぁん体質”

  5. 5

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  1. 6

    広末涼子“密着番組”を放送したフジテレビの間の悪さ…《怖いものなし》の制作姿勢に厳しい声 

  2. 7

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」

  3. 8

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  4. 9

    広末涼子とNHK朝ドラの奇妙な符合…高知がテーマ「あんぱん」「らんまん」放送中に騒動勃発の間の悪さ

  5. 10

    元フジ中野美奈子アナがテレビ出演で話題…"中居熱愛"イメージ払拭と政界進出の可能性