MLB労使交渉決裂は巨人に朗報? ロックアウト不可避で優良助っ人ゴロゴロ、日本球界は買い手市場に
米大リーグ機構(MLB)と選手会は現地時間30日午前、テキサス州ダラス近郊で労使協定の改定に向けて交渉したが、合意に至らなかった。
米スポーツ専門局ESPN(電子版)によると、この日の最終会議は、わずか7分で終了。1日午後11時59分(日本時間2日午後1時59分)の失効期限を前に両者は決裂し、施設などを封鎖するロックアウト突入は避けられない状況となった。
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年俸調停権を持つ選手への契約可否を通告する期限を日本時間1日に迎え、20球団計40人の選手が来季の契約を見送られた。
いわゆる「ノンテンダーFA」として公示された中には、マリナーズ時代の2019年に30本塁打を放ち、球宴にも選出された前ブルワーズのダニエル・ボーゲルバック一塁手兼DH(28=今季打率.219、9本塁打、24打点)、エンゼルスで主に大谷翔平(27)の後の3番を打ったフィル・ゴセリン三塁手(33=同.261、7本塁打、47打点)ら、メジャーで実績のある選手も少なくない。他にも、16年から3Aで3年連続2ケタ勝利を挙げた右腕テイラー・クラーク(28=同1勝3敗、防御率4.98)、世界一ブレーブスでセットアッパーを務めたリチャード・ロドリゲス(31=同5勝4敗14セーブ、防御率2.94)らも含まれている。
40人のうちの多くが20代後半から30代前半で、メジャーに定着しきれなかった一軍半クラス。今後、FAとなって自由に移籍交渉が可能となるだけに、日本の各球団も、これらの一軍半選手の動向を注視している。
日本時間2日に現行の労使協定が失効し、ロックアウトが実行されれば、新労使協定が合意に達するまで移籍市場も凍結される。2月のキャンプまで長引けば選手会側はストを決行するのは必至で、稼ぎの少ない一軍半の選手にとっては死活問題となる。今回のボーゲルバック、ゴセリンらがひとまず、メジャーでのプレーを断念して日本球界に新天地を求めるのは当然の流れだろう。
日本の球団でも手が届く
メジャーに定着できなかった選手なら現役バリバリの大リーガーとは異なり、格安での契約も可能だ。今季の年俸はボーゲルバックが約1億5800万円、ゴセリンが約6000万円と、メジャーでは薄給だけに、日本の球団でも十分に手が届く。
特に今季、支配下で登録した3人の新助っ人が故障などで揃って途中帰国した巨人にとっては格安の優良外国人選手を獲得する願ってもないチャンスだ。下手にマイナーリーガーに手を出すよりも今オフ、ノンテンダーになった一軍半の選手を獲得した方が十分、戦力になる可能性はある。
巨人を筆頭に助っ人補強に動く球団は買い手市場を逃す手はない。