MLB労使交渉決裂は巨人に朗報? ロックアウト不可避で優良助っ人ゴロゴロ、日本球界は買い手市場に

公開日: 更新日:

 米大リーグ機構(MLB)と選手会は現地時間30日午前、テキサス州ダラス近郊で労使協定の改定に向けて交渉したが、合意に至らなかった。

 米スポーツ専門局ESPN(電子版)によると、この日の最終会議は、わずか7分で終了。1日午後11時59分(日本時間2日午後1時59分)の失効期限を前に両者は決裂し、施設などを封鎖するロックアウト突入は避けられない状況となった。

  ◇   ◇   ◇

 年俸調停権を持つ選手への契約可否を通告する期限を日本時間1日に迎え、20球団計40人の選手が来季の契約を見送られた。

 いわゆる「ノンテンダーFA」として公示された中には、マリナーズ時代の2019年に30本塁打を放ち、球宴にも選出された前ブルワーズのダニエル・ボーゲルバック一塁手兼DH(28=今季打率.219、9本塁打、24打点)、エンゼルスで主に大谷翔平(27)の後の3番を打ったフィル・ゴセリン三塁手(33=同.261、7本塁打、47打点)ら、メジャーで実績のある選手も少なくない。他にも、16年から3Aで3年連続2ケタ勝利を挙げた右腕テイラー・クラーク(28=同1勝3敗、防御率4.98)、世界一ブレーブスでセットアッパーを務めたリチャード・ロドリゲス(31=同5勝4敗14セーブ、防御率2.94)らも含まれている。

 40人のうちの多くが20代後半から30代前半で、メジャーに定着しきれなかった一軍半クラス。今後、FAとなって自由に移籍交渉が可能となるだけに、日本の各球団も、これらの一軍半選手の動向を注視している。

 日本時間2日に現行の労使協定が失効し、ロックアウトが実行されれば、新労使協定が合意に達するまで移籍市場も凍結される。2月のキャンプまで長引けば選手会側はストを決行するのは必至で、稼ぎの少ない一軍半の選手にとっては死活問題となる。今回のボーゲルバック、ゴセリンらがひとまず、メジャーでのプレーを断念して日本球界に新天地を求めるのは当然の流れだろう。

日本の球団でも手が届く

 メジャーに定着できなかった選手なら現役バリバリの大リーガーとは異なり、格安での契約も可能だ。今季の年俸はボーゲルバックが約1億5800万円、ゴセリンが約6000万円と、メジャーでは薄給だけに、日本の球団でも十分に手が届く。

 特に今季、支配下で登録した3人の新助っ人が故障などで揃って途中帰国した巨人にとっては格安の優良外国人選手を獲得する願ってもないチャンスだ。下手にマイナーリーガーに手を出すよりも今オフ、ノンテンダーになった一軍半の選手を獲得した方が十分、戦力になる可能性はある。

 巨人を筆頭に助っ人補強に動く球団は買い手市場を逃す手はない。 

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  2. 2

    センバツVで復活!「横浜高校ブランド」の正体 指導体制は「大阪桐蔭以上」と関係者

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希の肩肘悪化いよいよ加速…2試合連続KOで米メディア一転酷評、球速6キロ減の裏側

  4. 4

    中日井上監督を悩ます「25歳の代打屋」ブライト健太の起用法…「スタメンでは使いにくい」の指摘も

  5. 5

    阪神・佐藤輝明「打順降格・スタメン落ち」のXデー…藤川監督は「チャンスを与えても見切りが早い」

  1. 6

    PL学園から青学大へのスポ薦「まさかの不合格」の裏に井口資仁の存在…入学できると信じていたが

  2. 7

    ソフトB近藤健介離脱で迫られる「取扱注意」ベテラン2人の起用法…小久保監督は若手育成「撤回宣言」

  3. 8

    巨人・坂本勇人2.4億円申告漏れ「けつあな確定申告」トレンド入り…醜聞連発でいよいよ監督手形に致命傷

  4. 9

    新庄監督のガマンが日本ハムの命運握る…昨季の快進撃呼んだ「コーチに采配丸投げ」継続中

  5. 10

    「負けろ」と願った自分を恥じたほどチームは “打倒キューバ” で一丸、完全燃焼できた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に