カタールW杯で日本は「超・死の組」に ドイツとスペインにはコテンパンにやられる公算大
2022年カタールW杯本大会・1次リーグの組み合わせ抽選会が、日本時間2日午前1時からカタールの首都ドーハで行われた。
E組に入った日本は初戦で強豪ドイツと対戦し、2戦目にニュージーランド(オセアニア)とコスタリカ(北中米カリブ海)の大陸間プレーオフ(PO)の勝者、3戦目に難敵スペインと顔を合わせることになった。
ドイツ、スペインともにW杯優勝経験のあるサッカー強国である。「W杯過去最高位のベスト8以上」を目標に掲げる森保ジャパンだが、日本が「超・死の組」と呼ばれるE組を勝ち抜くこと自体、至難のワザである。
ドイツは、3月29日にオランダと親善試合を行い、チェルシーFWベルナー、バイエルンMFミュラー、チェルシーDFリュディガー、バイエルンGKノイアーといった主軸組がハイレベルのプレーを披露した。
W杯優勝4回のドイツだが、18年ロシアW杯では1次リーグ敗退。21年欧州選手権もベスト16と不甲斐ない成績に終わった。それでも同年夏に名将フリック監督が代表指揮官に就任し、チームをしっかりと立て直した。
「ドイツはW杯ロシア大会1次リーグ3試合目の韓国に敗れ、1次リーグ敗退という恥辱にまみれた。ドイツ人選手のメンタリティーとして『韓国と同じ東アジアの日本にW杯で続けて負けることは、ドイツサッカーのプライドが許さない』とばかりにフルパワーで挑んでくる。日本は攻守ともに圧倒されかねません」(元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏)
2戦目はPOの結果によって相手がニュージーランドでも、コスタリカでも森保ジャパンに勝機はあるだろう。
両国ともドイツ、スペイン、イタリア、イングランドの欧州4大リーグ1部で活躍している選手は見当たらず、どうひいき目に見ても大会最弱国レベルといって差し支えない。もっとも森保日本が勝ち点3を獲得し、意気揚々と3戦目に臨んだとしても、スペイン相手にコテンパンにやられる公算大だ。
1次リーグ3戦で「勝ち点3」が濃厚
スペインは3月26日にアルバニア、同29日にアイスランドと親善試合を行った。3トップの22歳FWフェラン・トーレスと19歳のインサイドMFペドリのバルセロナ所属の若手らがはつらつとプレーした。21年は欧州選手権ベスト4、ネーションズリーグ準優勝と上り調子。12年ぶりのW杯制覇をもくろんでいる。
「スペインは対戦相手がどこであれ、長短のパスを右左両サイドに散らしながらつないでいき、ボールポゼッションを高めて試合の流れを掌握して“ここぞ!”というタイミングでゴールを陥れてくる。彼我の地力の差は歴然。スペインと引き分けて勝ち点1を奪うことも、非常に困難と言わざるを得ない」(六川氏)
ドイツとスペインがE組1位争いを演じ、日本は1勝2敗か1分け2敗となり、1次リーグで姿を消す可能性が高い。
「ドーハの歓喜」に変える
■森保一監督の話
W杯でも優勝経験のあるスペインやドイツと一緒の組。我々にとって世界に挑む、世界に勝っていくという部分でいい相手と戦える。スペイン、ドイツ、そしてニュージーランドかコスタリカかという強豪ばかりだが、勝ってまずは決勝トーナメントに駒を進める。どこが相手でもベスト8以上という我々の目標は変わらない。戦いが楽しみ。
ドイツは監督が代わって世界的にクオリティーの高いバイエルン・ミュンヘンの選手を中心に非常に強いチーム。スペインも世界のトップのリーグがあって、ルイス・エンリケ氏が非常にクオリティーの高い選手たち、スペインのサッカーを具現化する選手たちを率いて、素晴らしいサッカーをしている。そこに挑めるのはすごく楽しみ。
スペインやドイツは我々よりもFIFAランクは上だが、相手を上に見るのではなく、しっかり自分たちのストロングポイントを出して戦えるように準備したい。目の前の試合に最善の準備をする。私自身は「ドーハの悲劇」ということでW杯の夢を掴めなかった場所だが、今回は監督として「ドーハの歓喜」に変えたい。