中1日のリリーフ登板から6日後、巨人との日本シリーズ初戦に完投した
「去年、今年と選手諸君が、熾烈(しれつ)な戦いの中で本当によく頑張ってくれました。僕はいま、宙に舞わせてもらったんですけれども、わたしの手で選手一人一人を胴上げしたいですね。本当に素晴らしい選手たちです。選手たちのここまでの頑張り、粘り、基礎づくりは尊いです」
本拠地の藤井寺球場で9年ぶり3回目のリーグ優勝を勝ち取った近鉄の仰木監督は、試合直後のインタビューでこう言った。
仰木さんはパ・リーグの堀会長から賞状とペナントを渡され、選手とともに場内を一周した。
ブライアントは腕を振り回しながら大はしゃぎ。我々はスタンドのファンの歓声に手を上げて応えたのち、三塁側の室内練習場で祝勝会が始まった。
ビールかけは前田球団代表のあいさつの最中からスタート。話の途中だというのに、どこからともなくビールが飛び交い始めた。選手たちは代表にビールを浴びせ、代表のスーツはビショビショになった。私は最後、鏡開きに使った日本酒の一斗樽の中にはめられた。あの当時はゴーグルなんてないし、目は痛くて開けていられなかった。