中1日のリリーフ登板から6日後、巨人との日本シリーズ初戦に完投した
祝勝会が終わると、テレビ局回り。深夜まで各局をはしごして、自宅に帰ったのは明け方だった。
翌15日は藤井寺球場で最終戦。その6日後の21日には巨人との日本シリーズが始まり、私は第1戦に先発した。
1年間、ローテーションを守って投げ、優勝を決めた試合は中1日でリリーフ登板、2回3分の2を投げた。
この年は28試合に先発して21完投。投球回数は235回3分の2に達した。19勝8敗1セーブ、183奪三振で最多勝と最多奪三振を獲得したものの、先発数、完投数、投球回数はいずれもリーグ最多。レギュラーシーズンからひと息入れる間もなく日本シリーズになだれ込み、初戦に先発してしかも完投した。
元気というか、いまにして思えば、考えられないくらいの球数を投げていた。
当時はプロ3年目の25歳。若さゆえに乗り切れた部分はあると思う。3年間の投球回数は700イニングを超えた。プロ入り直後からフル回転し続けた疲労というかツケは、確実に忍び寄っていた。
迎えた巨人との日本シリーズ、近鉄は第1戦を4-3で競り勝った。私は五回以降を1安打に抑えた。
2戦目は山崎慎太郎から加藤哲郎、佐藤秀明、吉井理人とつないで6-3。本拠地で2連勝、移動日をはさんでシリーズの舞台は東京ドームに移った。 (つづく)