IOCバッハ会長がゼンレンスキー大統領と会談 2034年五輪はウクライナで決まりか?
復興アピールの舞台となるか。
国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は3日、ウクライナのキーウでゼレンスキー大統領と会談した。
バッハ会長はロシアの侵攻当初に設立した250万ドル(約3億3800万円)のウクライナ支援を3倍の750万ドル(約10億1300万円)に増額し、改めてウクライナのアスリートらを支援すると約束した。
一方、ゼレンスキー大統領は「多くのアスリートが練習機会を失い、施設が破壊された。今は国を守るため戦っていて(アスリートや指導者の)89人が死亡、13人がロシアの捕虜になっている」と述べ、国に平和が戻った後、五輪を招致したい意向も伝えた。
ウクライナは昨年9月、2030年冬季五輪招致を発表したが、ロシア侵攻によるミサイル攻撃で国は壊滅状態。今年中に戦争が終わっても、復興に要する時間などを考えれば、来年のIOC総会で30年五輪がウクライナの都市に決まることはないだろう。
とはいえ、IOCとしても、ロシアに苦しめられたウクライナ国民の再起と「焼け野原」からの復興を世界にアピールできれば、「平和の祭典」の存在意義は再び高まる。20年東京五輪は「東日本大震災の被災地に夢と希望をもたらす」と、「復興」を招致活動に利用し、被災者からも批判の声が上がったが、ウクライナに平和が戻った証しならそんな声は皆無だろう。30年五輪はロシア侵攻で時間的余裕がないのなら、34年はウクライナの都市で開催される可能性はある。