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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

エンゼルスは負けてばかり…それでも市場価値が高い「4つの理由」

公開日: 更新日:

 アート・モレノがエンゼルスを売却する意向を示したことは、予想外の出来事として球界関係者に大きな衝撃を与えた。

■オーナーが身売りを公表

 しかし、本拠地であるアナハイム市との関係の悪化や、妻子が球団経営に積極的な関心を持たない現状を考えれば、モレノが球団の先行きに不安を覚えたとしても不思議ではない。

 経済専門誌「フォーブス」の査定は、2022年3月時点でのエンゼルスの価値を22億ドルとする。これは全30球団中、第9位となる高い評価である。

 かつて自らの経営する屋外広告専門のアウトドア・システムズを80億ドルで売却し、富豪の仲間入りをしたのがモレノだ。それだけに市場の動向への鋭敏な感覚を働かせ、経営者の視点から自らを取り巻く環境を分析し、「今が手放す好機」と判断することは大いにあり得る。

 だが、昨季までの10シーズンのうち7回の負け越しを記録し、成績の面では不振ともいえるエンゼルスの球団としての価値が高いのはなぜか。

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