大谷翔平「心とアタマ」の原点を見た タイトル争い佳境の見逃し三振に“ニヤリ”の意味
レギュラーシーズンは残り30試合を切った。2年連続MVPとサイ・ヤング賞を視野に入れている選手なら1勝でも多くの白星、1本でも多くの本塁打が欲しいところだ。
まして試合は大差がついて、マウンド上は内野手。一発を期待できる格好のシチュエーションで見逃し三振に倒れ、あろうことかサバサバした表情で打席を後にしたのが大谷翔平(28=エンゼルス)だ。
日本時間6日の対タイガース戦。9点リードの八回、マウンドにいたのは「ロケット」ことロジャー・クレメンスの四男、コディ・クレメンス内野手(26)。遅い球にタイミングが合わずに最後、外角110キロのストレートを見逃して三振に。その瞬間、口元が緩んでニヤッとした表情を浮かべた。
大谷はそれまでにリーグ2位となる32号本塁打を含む3安打(2本塁打)、3打点。勝利もほぼ確定していたことはあるにせよ、相手が“シロウト”なら自身の数字を伸ばすチャンス。にもかかわらず、笑顔すら浮かべたのは大谷の性格というか人間性によるところが大きいのではないか。