大谷「サイ・ヤング&MVP」同時受賞なら来季年俸100億円! メジャー最高額シャーザー超え
「残り試合、予定通りにコンディションを整えて毎回、投げるっていうのが一番の目標なので。きょうみたいに長い回を投げられれば、勝つチャンスも多くなる。奪三振は捨てていますし、球数が増えない条件としてはなるべく四球を出さないこと。その方が長い回も投げられるので」
大谷翔平(28=エンゼルス)がこう言った。
日本時間4日の対アストロズ戦に先発、今季最多の111球を投げて8回1失点、5奪三振。12勝目はならなかったものの、無四球で長いイニングを投げられたことが収穫というのだ。これで今季の投球回数は自己最多の136に。シーズン規定投球回数の162まで、あと26と迫った。5日の同カードは、スタメンを外れてベンチスタート。出場の機会なく、24試合ぶりの欠場となった。
■規定投球回は最低条件
次回の登板予定である11日のアストロズ戦も含め、残りの登板数は4。1試合平均7回弱で規定投球回数に達する計算になる。
「サイ・ヤング賞にしろMVPにしろ、先発投手である以上、規定投球回数をクリアするのは最低条件といえます。達しなければ、ともに1位票が入るのは難しくなりますから」とは野球文化学会会長で、名城大准教授の鈴村裕輔氏。
それなら大谷がサイ・ヤング賞や2年連続となるMVPを受賞する可能性はあるのか。
■投手成績はもう少し上積みが欲しい
「MVPはその年、最も顕著な活躍をした選手が受賞するものです。優勝チームを牽引したとか、最も多くの本塁打を打った選手に与えられるわけではありません。大谷は単なる二刀流選手ではなく、投手としても打者としても、2年続けてトップクラスの成績をマークしているわけで、十分に可能性はあると思います。DHなので守備の負担がないという声もありますけど、野手以上に負担の大きい先発投手の役割を担っているわけですから」(鈴村裕輔氏)
サイ・ヤング賞はどうか。
「先発投手としてトップクラスの成績は残していますが、防御率2.58はリーグ5位、11勝は同8位タイ、181奪三振は同5位。残り試合でもう少し、上積みが欲しいところです。昨年のナ・リーグはバーンズ(ブルワーズ)が11勝(5敗)ながら、リーグトップの防御率(2.43)と奪三振率(12.61)を評価されて受賞したように、いかに試合を支配するかは重要な要素。大谷がリーグトップの奪三振率11.98をマークしているのはプラス材料ですけど、良いときと悪いときの差が激しいのは気にかかります。ただ、防御率(1.84)、勝利数(16)、ともにリーグトップで最有力候補のバーランダー(アストロズ)が8月31日、右ふくらはぎ痛で15日間の負傷者リスト(IL)に入ったのは大きいですね」(鈴村裕輔氏)