大谷翔平「心とアタマ」の原点を見た タイトル争い佳境の見逃し三振に“ニヤリ”の意味
■年下の投手に対する大人の対応
中学時代の野球部監督で担任教諭によれば、当時から「中学生にしては珍しく大人びた子」だったという。シニアでプレーしていて名の知れた選手だったものの、学校で野球に関する話はまずしない。友達とふざけて笑うことはあっても、「普段から落ち着いていて大人みたいなやつだなと思った」そうだ。
試合では野球部で頑張っている生徒を優先したい、もう試合には出なくてもいいだろうという教諭の提案を二つ返事でOK。球拾いや練習の手伝いだけをするようになったとか。
この大谷の「大人びた」性格は、末っ子であるがゆえに年上の遊び相手が多かったことで育まれたのではないか。つまり三振による笑顔は、自分より年下の“即席投手”に対する大人の対応なのだろう。
■読みが外れ「白旗」の笑顔
もうひとつは自分の読みが外れたことに対してだ。大谷は人一倍、洞察力が鋭い。中学時代、大谷が次打者の打球方向や初めて対戦する相手のクセをビタビタ当てるので、一緒に見ていた前出の教諭が仰天したほど。