千賀滉大「5年102億円」に透けるのはメッツのリスク回避 契約の中身はむしろシビアだった
出来高も渋く、サイ・ヤング賞を獲得しても約700万円。同賞の投票で2~5位になった時は最大で約350万円。ちなみにダルビッシュは同賞受賞で2億8000万円、2~5位で1億4000万円だ。千賀は5年契約終了後、球団が28年の契約延長を選択した場合のみ、ダルと同額が支払われる。一方、最優秀救援投手賞の出来高は約1400万円と、サイ・ヤング賞のそれより高い。
野球文化学会会長で名城大准教授の鈴村裕輔氏が言う。
「少なくともサイ・ヤング賞に関しては球団も現実的に厳しいと見ているのでしょう。かといって万が一、受賞した時に何もないでは寂しいので、念のために追加した保険のようなものです。400イニングも年間通してローテを守ればクリアできる数字だが、ソフトバンク時代のように頻繁に離脱するようでは厳しいはず。その意味で『離脱せずに投げたら、オプトアウトもあるよ』という発奮材料に近い。つまり、メッツは千賀に期待をしても100%信頼しているわけではない。千賀は先発希望ですが、救援タイトルの条項があるのはリリーフ転向に備えてのものでしょう。サイ・ヤング賞より高額なのは、それだけ救援のタイトルを取る可能性が低いということ。とにかく球団のリスクヘッジが見てとれる契約です」
それでも「5年102億円」が保証されているだけ、かなりのものだが。