ジャンプ高梨沙羅「スーツ規定違反」失格劇の全舞台裏…国際連盟は日本人選手を狙い撃ち
メンタルはズタボロだ。
15日に山形県の蔵王で開催されたノルディックスキージャンプ女子W杯13戦目で失格になった高梨沙羅(26)。2本目の飛躍後、スーツ規定違反が判明し、30位に終わった。
高梨のスーツ規定違反といえば、昨年2月の北京五輪混合団体(4位)を思い出す。金メダルも狙えるといわれていた新種目でまさかの大失態にショックを受け、大会直後には現役引退を示唆した。
「今回の落ち込みもそれと同程度だと思います」と、あるスキー関係者がこう語る。
「蔵王での大会は3季ぶりで、高梨が所属するクラレはゼッケンスポンサーになっていた。心待ちにしていた高梨のファンだけでなく、スポンサー関連の大応援団もやってきた。高梨は今季、W杯は5位が最高ですが、自国開催で所属先がスポンサードする大会ですから表彰台に乗るのが絶対条件だった。ところが1本目に11位と大きく出遅れた。せめて5、6位に入らなければと、2本目に“勝負をかけた”のではないか」
“勝負をかけた”というのは、どういう意味か。
■「欧州では、2、3着のスーツは当たり前」
「日本女子チームの横川(朝治)ヘッドコーチは、今大会は4日間を通じて同じスーツを使用しており、予選のあとのランダム検査では問題はなかったと言った。にもかかわらず、スーツのウエストが2センチぐらい大きかったことで失格になった、と説明した。横川コーチが言うように、高梨は重圧などで痩せたことも考えられる。でも、ジャンプの強い欧州の有力選手たちは、スーツを2、3着持っているのが当たり前。例えば、3着目はルール違反ギリギリのもので、ここ一番で着用する。1本目に11位と出遅れた高梨も2本目はスーツを替えたのかもしれない」
試合後は報道陣の前に姿を見せなかった高梨。トップアスリートでもメンタルは強い方ではなく、コメントさえ出せなかったのは、落胆の大きさがうかがえる。