同じ薬物問題なのに…米野球殿堂入り ボンズやクレメンスがNGでオルティスがOKのワケ
2023年の野球殿堂にはフィリーズなど4球団に在籍したスコット・ローレンが選ばれた。資格取得から6年目での栄誉だ。三塁手としては歴代4位となる8回のゴールドグラブ賞を受賞したローレンは、好守好打の名選手として活躍した。
ブルックス・ロビンソンとマイク・シュミットという、いずれも球史に残る名三塁手が揃って「守備だけなら自分より上」と評価するのがローレンだっただけに、今回の殿堂入りによって名実ともに大選手の仲間入りを果たしたことになる。
大リーグに10年以上在籍し、引退後5年を経たうえで適性審査委員会の審査を通過すれば、殿堂入りの候補者の資格が発生する。しかし、得票率が5%未満の場合は翌年以降の資格を喪失するから、殿堂に入るための道のりは遠い。
しかも、現在は薬物の不正使用の過去を持つ選手は候補者となっても票数が伸びず、落選している。バリー・ボンズやロジャー・クレメンスら薬物問題を抱えていた候補者は、22年を最後に全米野球記者協会(BBWAA)による投票の対象から外れてしまった。
マーク・マグワイア、サミー・ソーサら実績のみなら殿堂入りしておかしくない者も選から漏れているのは、ひとえに薬物問題のためである。