女子フィギュア「中野園子」門下生が躍進するワケ 異例国体Vの坂本花織は4歳から二人三脚
先月末の八戸国体でフィギュアスケート女子の北京五輪銅メダリスト坂本花織(22)が優勝。合計238.63点でISU(国際スケート連盟)非公認ながら“今季世界最高得点”を叩き出した。
坂本を指導するのは中野園子コーチ(70)。スケートを始めた4歳から一度も離れることなく二人三脚で過ごしてきた坂本は「先生は辞書」「厳しめのママ」と表現する。
坂本は華やかな4回転ジャンプを跳ばない。それが「つまらない」と揶揄されることもあったが、不確実で派手な演技よりも完成度の高い構成で加点を狙うことを重視。それこそが「中野組」の強みでもある。
そもそも、世界チャンピオンがISU非公認の国体に出場すること自体が異例。同じ中野組の門下生であるグランプリファイナル女王の三原舞依(23)も坂本と同じく兵庫県代表として国体に出場して3位だった。経験を積み重ね、「勝ち癖」によって自信をつけていくのが中野組のスタイルで、そうやって着実に選手の実力を伸ばしてきた。
坂本の引退後の夢はフィギュアスケートのインストラクター。お手本にしているのが中野コーチだ。坂本は3姉妹の末っ子で、2人の姉は共に教師。母親に「花織は何の先生になるの?」と尋ねられると、幼少期から「中野先生になる」と答えていたという。
フィギュアのコーチはパワハラ、モラハラが当たり前とされてきた世界。紀平梨花(20)を指導する浜田美栄コーチ(63)は男子フィギュアスケート元日本代表の織田信成(35)からモラハラで訴えられて泥沼裁判中だが、中野コーチはそんな古い体質とは一線を画す指導者だ。