2023年「オーガスタ13番の距離延長」マスターズの“サービス・ホール”はどう変わるのか?
男子ゴルフの4大メジャー大会の1つ、「マスターズ・トーナメント」を主催するオーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)は6日、今年の大会(4月6日開幕)の概要を発表し、総距離は昨年から35ヤード伸び、7545ヤード(パー72)となった。
35ヤード延長されたのは左ドッグレッグホールの13番(パー5.545ヤード)。左サイドのクリークがグリーン右サイドまで続き、第2打以降はクリーク越えになる“アーメン・コーナー”の最終ホールだ。
しかし、ここ2年の平均スコアは4.737。選手が神に祈りたくなるほど難しいゆえ、「アーメン・コーナー」と言われているのに、パーセーブも厳しい11番(パー4)、12番(パー3)に比べると、近年はバーディーが取りやすい。2021年に優勝した松山英樹(30)も4日間で1イーグル、2バーディーと稼いだ。
距離延長の背景と攻め方の変化について、元マスターズの公式ライター吉川英三郎氏が言う。
「13番の第1打にスプーンを使っても第2打でグリーンに届く時代です。今は飛距離欲しさにドローボールで左のクリークギリギリに打っていく選手は皆無です。世界のゴルフ界は飛距離を抑えようとクラブの規制などに動き出している。すでに改修が終わっていた13番の距離延長が今年まで遅れたのは、ゴルフ界の流れに逆行するためタイミングを見ていたのでしょう。それにしても、13番の改修のためだけにアーメン・コーナーに隣接するオーガスタCCの土地を買収し、改造、公道を曲げるなど、約45億円とも言われる巨費を投じている。こんなことができるのもマスターズのおかげですが」