高まる村上宗隆「侍ジャパン4番降格」推しに…「むしろ逆効果」とヤクルト関係者が切望
「凄いモチベーションになります。僕しか打ったことがない打順。しっかりこれからもそこを打てるように頑張りたい」
侍ジャパンの村上宗隆(ヤクルト)が14日、準々決勝イタリア戦(16日)に向けた全体練習後、改めて「日本の4番」のプライドを口にした。
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■柵越え連発も
昨季、史上最年少で三冠王を獲得、日本人最多の56本塁打を放った「村神様」だが、WBCでは自慢のバットが湿りっぱなしだ。1次ラウンドの全4試合で4番を任されるも、14打数2安打7三振で打率.143、本塁打ゼロ。壮行、強化試合の6試合も打率.143、1本塁打と低空飛行が続いている。この日の全体練習では、28スイングで8本の柵越えを放つなど、練習ではアーチを量産する一方で、いざ試合となるとからっきし……なのが現状だ。
栗山英樹監督はこの日の記者会見で村上の打順変更に関して、「まだ明日の練習もあるので。状況、状態を今日も確認してますけど、1人の選手がどうのこうのではない。全体のバランスとして一番勝ちやすい形を探るというだけなので」と明言を避けた。吉村打撃コーチは先日、「今の打順で結果を残してもらいたいと栗山監督も思っているはず」と話すなど、栗山監督はあくまで村上を4番で使い続けたいのだろうが、評論家諸氏の間では「全く間が取れていない。優勝できなければ戦犯になる」と4番降格を推す声が多い。
■阪神の矢野前監督も「僕なら外す」
昨季まで阪神の監督を務めた矢野燿大氏もそのクチだ。去る13日、関西ローカルのテレビ番組で、「栗山さんも悩まれているんじゃないかなと思うんですけど、僕ならいったん、4番は外す。どうしても大谷(翔平=エンゼルス)君の後ろはプレッシャーがかかる。申告敬遠とかされて、余計に力むんです。それでいうと、(5番の)吉田君がめちゃくちゃ状態が良いので、4番に上げて、村上君を6番くらいで。僕なら牧君を5番に使う」と持論を展開した。
1次ラウンドは総当たりのリーグ戦だったが、準々決勝以降は負ければ終わりの一発勝負。前出の矢野氏は「今は吉田君がカバーしているが、もう負けられない、絶対に勝つとなったら、代えるんじゃないかと思っている」と言い切った。
たしかに、1次ラウンドは格下の相手が多く、1試合平均9.5得点と打線が爆発。村上が打てなくても勝てたが、対戦相手のレベルが上がる準々決勝以降は、打ち出の小づちのように得点できる保証はない。村上の復調を待っている余裕はなく、栗山監督にはスタメン落ちも含めてシビアな判断が求められそうだが、そんなムードに待ったをかけるのが、村上が所属するヤクルトだ。