エ軍は急失速も大谷翔平「三冠王」に現実味 今季は“置かれた状況”が昨季までとはガラリ
ある意味、個人主義者な大谷が重視すること
大谷はある意味、個人主義者だ。それは17年オフ、ポスティングシステムでメジャー入りしたときの経緯が物語っている。
大谷獲得には20を超す球団が名乗りを上げたものの、面談に進めた球団は7つ。エンゼルスをはじめ、そのほとんどは西海岸のチーム。メディアやファンが辛辣な東海岸の大都市球団はオミットされた。「我々のプレゼンは完璧だったが、ニューヨークがビッグマーケットであることは変えようがない」とは、面談に進めなかったヤンキース・キャッシュマンGMのコメントだ。
大谷の根底には「人がやったことのないことにチャレンジしたい」という欲がある。高校から直接、メジャーに挑戦したいと言ったのも、それを断念して日本ハムで当然のように二刀流に挑戦したのもそう。
しかし、メジャーではかのベーブ・ルース以来となる二刀流へのチャレンジは波紋も伴う。それだけに勝つことより何より、投打とも長い目で評価してもらう必要があった。ゆえにファンやメディアが温和な西海岸のエンゼルスを選んだのだ。
「すでにメジャーで確固たる地位を確立したいまだからこそ、ヒリヒリしたいなどと言っていますけど、それもこれも投打でトップクラスの成績を残すことが大前提。大谷にとっての最優先事項は、チームの勝利以上にそこです。FA権を取得、行使することは、相応の責任も伴う。メジャー史上最大規模の契約であればなおさらです。本塁打王と打点王は射程圏ですけど、ひょっとしたら今年は打率も狙っているかもしれない。現時点でア・リーグの打率トップはディアス(レッズ)の.323ですからね。可能性は十分でしょう」とは前出の特派員。
チーム状況にかかわらず、後半戦は三冠王を取る勢いで打ちまくるというのだ。