バスケ河村勇輝は野球や柔道、相撲まで「複数競技」経験は今やトップアスリートの共通点
各界のトップアスリートには共通点がある。
開催中のバスケットボールW杯で、48年ぶりに自力で五輪切符を掴んだ男子日本代表。その原動力となったポイントガードの河村勇輝(22)は小学2年から本格的にバスケを始めたというが、幼少期は野球や水泳、柔道などにも取り組み、地域の相撲大会に出場したこともある。
「本人から『野球をしていたおかげでボールを投げやすい』と言われたことがあります。柔道では体幹が鍛えられたはず」とは、父の吉一さん。
「複数の競技に触れてきたことが今に生きている」と、旧ユーゴスラビアのナショナルスキーチームのコーチを務めた平山昌弘氏(フィジカルトレーナー)はこう話す。
「子供のうちに複数のスポーツに取り組むことが運動神経の向上に良いというのは欧米では常識です。まったく違う競技をすることでさまざまな体の使い方を覚えることができるし、反射神経や空間認識能力も鍛えられるからです。例えば投球動作ひとつを取っても、腕だけではなく肩や鎖骨、肩甲骨などを使いながら腕を振り、それに下半身を連動させます。どの運動も複合的に体を使うから、競技レベルが高くなるほど自身の関節や筋肉を熟知する必要がある。今は高校生の指導もしていますが、ひとつの競技しかやってこなかった選手には手を焼くことが多いですね」