U18野球W杯のネット裏にスカウトがほとんどいないナゼ…日本は悲願の世界一へ前進なのに
■今年の大学生投手が超のつく豊作
「今大会の代表メンバーのほとんどが大学か社会人に進みます。プロ志望の選手は高校生ナンバーワン投手といわれる前田を含む数人だけ。夏の地方大会や甲子園でチェックしている選手ばかりなので、現地で見る必要はないかと。しかも、今年は大学生投手が超のつく豊作です。それならそっちを追いかけたほうがいい。どれくらい豊作か? 前田ですら、ドラフト1位指名されるかどうか」
日本代表の指揮を執る馬淵史郎監督(67=明徳義塾)の影響もある。
「小技を駆使して着実に1点を取りにいくという『馬淵野球』を否定するつもりはありません。ただ、高校生選手の伸びしろをチェックするスカウトの立場からすると、馬淵野球の型にはめられた選手のプレーは評価の対象になりにくい。つい先日集められた選手たちがうまく適応して、その上で本来の力を発揮できるかどうかということに興味はあっても、素材そのものや性格面、取り組む姿勢などを判断するなら、学校のグラウンドでチェックしたほうが実りがあります。プロを目指す選手たちは、夏が終わっても練習していますから」(同前)
ネット裏が寂しいのには理由がある。