侍ジャパンの次期監督が決まらない…初陣まで2カ月なのに、本命&対抗に相次ぎ断られたか
大谷は右肘手術なら参加は微妙に…
工藤、井口両氏にはそれぞれ事情があるにせよ、そもそも次回のWBCで侍ジャパンを率いる重圧はハンパない。
侍ジャパンは2013年、17年と2大会連続で準決勝敗退。今大会の開幕前は、世界一になれれば儲けものというムードもあった。そんな中、日本は番狂わせを演じた上に、大谷が参戦したことでかつてない盛り上がりを見せた。
「その大谷は先日、右肘靱帯を損傷し、右脇腹も痛めた。今回の故障はWBCからフル回転してきた影響も否定できません。仮に今オフ、トミー・ジョン手術を決断すれば、二刀流としての復帰は順調に行っても25年の開幕になる。次回26年大会の出場は極めて微妙と言わざるを得ない。今大会の世界一は大谷が投打にわたって活躍しただけでなく、準決勝の際に塁上で雄たけびを上げてチームメートを鼓舞したり、決勝戦の直前のミーティングで『(米国代表選手に)憧れるのはやめましょう』と伝えたりするなど、精神面でもナインの大きな支えになったからこそ。その大谷がいない侍ジャパンは当然、苦戦を強いられる」
大谷が不在となれば、もう一人のジャパンの精神的支柱となったダルビッシュの再招集も不透明になる。
「ダルはメジャーリーガーで唯一、国内合宿から参加した。大会規定によって練習試合に出場できず、まともに練習できない中、投手はもちろん野手にも積極的に助言を送った。代表選手はダルとの交流によって成長を促され、それが勝利に対するモチベーションにもつながった。そのダルが侍ジャパン入りを決断したのは大谷の存在が大きかった。ダル本人も『大谷君が声をかけてくれたことが大きかった』と述懐している。大谷は世界一達成後、ダルに『次回も出ましょう』と声をかけたそうですが、大谷が出ないとなると決断は難しくなるでしょう」(NPB関係者)
監督としてただでさえプレッシャーが大きい上に、大谷、ダルビッシュの「2トップ」が不参加となれば、なおさらかじ取りが難しくなるのは明らかだ。
準決勝で敗退した13年大会は、当時オリックス監督だった阪神の岡田彰布監督(65)が就任要請を断るなど人選が難航。山本浩二監督に決まったのは、大会開幕のわずか半年前の12年9月末だった。メジャーリーガーとの折衝もまともにできず、日本人メジャーは一人も参戦しなかった。もろもろの準備不足が響いて、惨敗の憂き目に遭った。
今回、次期監督の決定が大会直前までズレ込むことはないだろうが、新監督の初陣となるアジアプロ野球チャンピオンシップは2カ月後の11月に迫っている。監督候補にとって侍ジャパンの監督を引き受けることは、貧乏くじを引くようなものなのかもしれない。