【be there!】「そこにいろ」か「現場に行け」か 文脈によって異なる言葉の意味
大谷翔平がレンジャーズ戦で自身メジャー最多の117球を投げた一昨年9月3日のことだ。
最後の3球も99マイル(約159キロ)を記録する力投を見せた試合後、当時のジョー・マドン監督は水原一平通訳を呼び止めた。大谷の疲労、精神的消耗を心配し、「明日は打つこと(打者としての出場)ができるか?」と聞いた。
このときのことをAP通信は、「(マドン監督は)大谷の両足は過労(tiredness)のためにジェロ(JELL-O)のようにフニャフニャ状態ではないか(his legs are going to feel like JELL-O)と危惧した」と報じている。Jell-Oは米国で人気のゼリー食品で、日本風に言うとコンニャクのように芯のない状態のこと。
間髪を入れず返ってきた水原通訳の回答は「he wants to be in there!」。直訳すると、「彼はそこにいたい!」「その中にいたい!」。つまり、大谷は「試合に出たい!」と答えたのだ。