山下桃伽さん「自分はブスでデブと…」 元美術部だった運動嫌いがバッキバキに変身するまで
「男子、三日会わざれば刮目して見よ」と言うが、何も男子に限らない。女子もまたしかりである。「『自分はブスでデブ』と思っていました」と振り返るのは、ボディーコンテスト「オリンピアアマチュアジャパン2022」で史上最年少18歳で出場して話題を集めた山下桃伽さん(19)。彼女のマッスルを目覚めさせたキッカケとは──。
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山下さんが本格的なトレーニングを始めたのは、高校に入学した頃。中学生の時は運動とは縁のない美術部だった。
「中学生の頃、仲の良い男子に何げなく『デブやな』みたいなことを言われたんです。悪気のないイジリだったと思いますが、コンプレックスだった体形が余計に気になるようになりました。でも、当時は美術部で運動する機会もほとんどなければ、体育の授業も嫌でしたね(笑)。それから、しばらくして親戚がトレーニングジムを始めると聞いて、高校入学と同時に『ちょっと、やってみようかな』と通うようになったんです」
中学時代はリンゴやササミのダイエットなどに挑んだが、どれも長続きしなかった。ところが、軽い気持ちで始めたトレーニングにはのめり込んだ。
「通い始めた当初はトレーナーである親戚に付きっきりで教えてもらいました。最初の2~3カ月は、重りを付けていないバー(20キロ)を使ってスクワットするだけでも、しんどかったですね。それでも、ジムのお客さんがいない時間帯を利用して週1~2回から3~4回へと、ペースを増やしていくうちに、どんどん体が変わっていくのが分かって。意外と効果があるんだと思えたから、続けられた気がします」
文字通り「筋肉は裏切らない」。トレーニングを始めてから、わずか1年で「2021ウエストジャパンチャンピオンシップス」に参戦。それを皮切りに、22年、23年と続けて同大会に出場した。
「初めての大会では、トレーニングを始めてから50キロ台後半ぐらいまで増量した体重を、数カ月かけて大会前に48キロまで落としました。トレーニングを始める前まで、まさか腹筋がバキバキに割れるなんて思ってもみなかったので、想像以上の仕上がりに『ああ、良かった』と。今では週6でジムに通い、ベンチプレスは65キロを挙げられるようになりました」