上沢直之レイズとのマイナー契約はむしろプラスの根拠 同学年の今永昇太と「待遇」では大差
メジャーでのプレーが保証された今永とは異なり、上沢は生き残りをかけたチーム内の競争を強いられるが、大リーグで登板するチャンスはある。レイズの先発陣は昨季、エース左腕マクラナハンら主力3人が揃って肘の靱帯を修復するトミー・ジョン手術などを受けて今季全休。今季は昨季16勝の右腕エフリンらローテの5番手まで決まっているとはいえ、彼らも年間を通じて働けるかどうか。
大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこういう。
「レイズは毎年、投手に故障者が続出する傾向にあり、昨季は肘にメスを入れたエース級3人を筆頭に、延べ29人が負傷者リスト(IL)に入った。資金力豊富なヤンキース、レッドソックス、ブルージェイズに対抗するため、ここ数年は好調な投手を酷使するきらいがあり、今季もエース格であるエフリンらをフル稼働させるでしょう。昨季のように投手陣が野戦病院と化す可能性もあるだけに、上沢は3Aで防御率3点台前半から半ばをキープしていれば、メジャーから声がかかると思います」
上沢は140キロ台中盤という直球の平均球速を疑問視されているが、長いイニングを投げるスタミナがある上に、制球もスライダーのキレもいい。「チャンスさえあれば、そこそこやれる」と見るスカウトもいる。
昨季のア・リーグ東地区は下位3球団が9月終盤までワイルドカード争いを繰り広げ、今季も混戦が予想されている。
上沢は地区優勝、ポストシーズン進出争いが熾烈になる終盤に出番があるかもしれない。