メジャーリーガーの五輪派遣解禁を阻む「機構」vs「選手会」の対立構造
オリンピックに対して大リーグが一貫して冷淡な態度を示している。
理由は明快で「真の世界一を決めるのはワールドシリーズであって、オリンピックではない」という考えがあるからだ。
【写真】この記事の関連写真を見る(36枚)
もちろん、大リーグ選手を派遣するにもかかわらず成績が振るわなければ「野球発祥の地」という米国の体面にかかわる。しかも大会でケガに見舞われてしまえば公式戦への影響も大きいから、選手や球団だけでなく、代理人もオリンピックへの出場を躊躇するのは当然である。
それだけに、スポーツ専門サイトのジ・アスレチックが2028年のロサンゼルス・オリンピックに大リーグ選手が出場する可能性があると報じたことは、大きな注目を集めた。
確かに世界の野球の最高峰が大リーグであるとしても、米国内における競技人口の急速な減少という厳しい現実に直面し、野球の国際的な普及を大きな課題とする機構としては世界的な注目を集めるオリンピックの存在は無視できない。