最悪だった米国キャンプ…持て余す暇、発砲事件、偽札使用の誤解、私だけが見えなかったUFO騒動
実際、宿舎のホテルの目の前にあったショッピングモールで発砲事件があって、番記者が近くにいたと聞いた。球団がシェフを帯同させているため、宿舎からほとんど外に出なくなった。宿舎はリゾートホテルではなくモーテル。日本でのキャンプなら個室だが、「危ない」という理由で2人部屋。プライバシーはないし最悪だ。「何でそんなに危ない国で練習をしなきゃいけないんだ」とブーイングの嵐だった。
■私だけが見えなかったUFO騒動
テレビをつけても英語だから意味が分からない。だからバスケットボールの試合をつけっぱなしにした。結局、選手数人で部屋に集まり、トランプをやったりした。「まるで中学生の修学旅行だな」と苦笑いするしかなかった。
思い出すのは「UFO騒動」だ。95年のピオリアキャンプの練習中、グラウンドの上空にUFOらしき物体が飛んでいたという。目撃した選手によると、白や銀に輝きながらスーッと飛んで5分間止まってから突然消えたというのだ。
4面の練習グラウンドを見渡せる管制塔から指揮していたボビー・バレンタイン監督が、上空を指さして「なんだ、あれは!」。ボビーに続き、「見えた!」と声を上げたのは208センチの長身エリック・ヒルマンだ。すると、「どこどこ?」と4面から選手とコーチが集結。一気に騒動となった。愛甲猛さんらは「銀色に輝いていた」と言うが、私だけはどこを探しても何も見えなかった。