中学時代から初見の相手チームでも打者毎のクセや特徴をインプット、完璧に分析できた地頭の良さ
華々しい活躍で世界を沸かすドジャース大谷翔平(29)。
日刊ゲンダイが過去に連載した「秘話 大谷翔平『二刀流の血脈』」を、大谷の自信、気質、アタマの3点に焦点を当てて再編し、その軌跡を紐解いていく。(第5回からつづく)
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メジャー1年目のスプリングトレーニングでは投げて防御率27.00、打って打率.125。
ファンやメディアのやかましい東海岸の強豪球団にいたら、年俸が数千万円と格安なこともあって、開幕後は二刀流どころかスタメン落ちの危機だったに違いない。二刀流としての才能はファンやメディアが温かく、長い目で見てくれるエンゼルスだったからこそ開花した。
自分の才能を生かせる環境を正確にチョイスする嗅覚というか、アタマが大谷にはある。それもまた、大きな武器だ。
中学時代、野球部に所属するも、シニアでプレーしていることもあって試合には出ず、監督とともにベンチにいた。相手は初めて見るチーム。なのに試合が中盤に差し掛かると、「この選手の打球は右方向、スイングのクセがそうですから右に行くはずです」と、打球の方向を言い当てた。スコアを付けているわけでもないのに、試合中盤までに相手打者のクセや特徴をインプットしていたのだ。