大谷を支える”天性の末っ子気質” かつて両親が日刊ゲンダイに語っていた「コミュ力の原点」
ポルシェや高級ウイスキーは結果としてそのためのツールになっているようだが、周囲とのコミュニケーションを円滑にするための大谷の何よりの“武器”は「末っ子気質」だろう。兄と姉がいる3人きょうだいの末っ子。大谷の親御さんはこう言っている。
「小さいころから、とにかく人のことをよく見ていた。これをしたら怒られるということは、まずしませんでした」「本人も言ってましたけど、年上の子と遊ぶのが好きだったみたいです」「子供のころから何げなく(友達の輪に)入っていって、何げなく遊んで、何げなく帰ってくる。末っ子だからでしょうか」
花巻東高(岩手)3年の夏、韓国で行われたU18世界選手権の日本代表に選ばれた。藤浪(現メッツ)や田村(現ロッテ)らメンバーの多くは大阪出身。ナインの間では大阪弁が飛び交っていたものの、岩手出身の大谷は気後れもせず、すっと輪の中に入ると、いつの間にか輪の中心で身ぶり手ぶり、選手の笑いを誘っていた。
MVPを獲得した2023年のWBCでは、「年齢的にも中堅的な位置。自分が引っ張りたいという思いはない」と言いながら、いつの間にかナインと打ち解け、米国との決勝の前には「(ベッツやトラウトらに)憧れてしまっては超えられない。きょうだけは憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう」とナインを鼓舞した。
そうやって気が付いたら周囲と馴染んでいる末っ子気質が、新天地ではプラスに作用しているのだ。