プーチン大統領がパリ大会後に“独自世界規模大会開催”の絵空事…愛憎相半ばする五輪への思い
プーチン大統領はパリ五輪後の9月に、ロシアで「フレンドシップゲームズ」を開催すると意気軒高である。オリンピックは好きだが、国際オリンピック委員会(IOC)が憎いプーチンのアンビバレンス(愛憎併存)が顕現したとみる。
柔道家であり、オリンピックファンであったプーチンは講道館柔道から名誉6段を授かり、IOCからは最高位勲章オリンピックオーダー金賞を賜っている。ウクライナに侵攻し、オリンピック休戦を破った廉で後者は剥奪されたが、五輪愛がくすぶっているようだ。
パリ五輪への参加について、IOCがロシアとベラルーシの選手に中立な個人としての参加の道を開いたが、国名も国旗も国歌も使えないと聞いたロシア大統領は、「IOCは五輪創始者クーベルタンの初心を歪曲している。スポーツは単に記録を樹立することが目的ではない。人々を結びつけることでもある。オリンピック運動はこの役割を放棄した」と痛烈に批判し、2022年当初はブリックス(BRICS)中心の国際競技会を提唱していたが、昨年末には全世界規模の大会を目指し、自らが真の五輪精神継承者だと言わんばかりの行動に出た。