Jリーグ界“世紀の悪役”の素顔とは…実は笑いが絶えない取材現場、森保一監督からアドバイスも

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黒田剛監督(C)Norio ROKUKAWA/office La Strada

 青森山田高サッカー部を率いてJFA・U18プレミアリーグ、高校サッカー選手権、高校総体で何度も日本一に輝いた名伯楽の黒田剛監督(54)だが、2022年10月にJ2町田ゼルビアの指揮官に就任した時には「プロの選手経験もなければプロの現場も知らない。ま、お手並み拝見といくか」と冷ややかな反応が圧倒的だった。

 ところがJルーキー監督が2023年シーズンでチームをJ2初優勝・J1初昇格に導いてサッカー界を震撼させ、今季J1でも快進撃を続けて前半戦を首位で折り返し、第23節終了時点でもトップを維持して優勝争いをリードしている。しかし、称賛の声と同じくらいの批判にもさらされている。ストレートな物言いが誤解を招いたり、ネット住民に発言の一部を切り取られて炎上したり……。なかなか表に出てこない実像をサッカージャーナリストが明かす。(第5回/全5回)

  ◇  ◇  ◇

 この頃、巷の記者仲間で流行っているものは……ではなくて囁かれているのは、こんな話です。

「過去、これほど悪役としてみんなから注目されていたサッカーチームはなかった。もしもこのまま優勝したら大盛り上がりになるんじゃないか。そして来年もみんなその悪役を倒そうと盛り上げる。これはこのまま優勝してもらうしかない」

 出る杭は打たれるという言葉どおり、クラブ史上初めてJ1リーグに昇格した新参者なのにもかかわらず、優勝戦線をリードする町田ゼルビアは「ヒール」として扱われ、黒田剛監督は何を言っても大炎上。

 最近は、PKの時にパリ五輪代表メンバーのFW藤尾翔太がボールに水を掛けたことでGKに取りにくくさせるためだ、勝つためならどんなこともするという「黒田イズム」だとして非難されています。

 もっとも、黒田監督は囲み取材の中で「ボールに水を掛けろなんて選手に指示したことなんかないよ」と、嘆いていましたが。

 また、報道陣からSNSの非難に対してどう対処しているのか聞かれ、「自分はいいけれど、家族が見ている」と答えたことが報じられると、町田の選手にケガをさせたことで筑波大学が非難されているという別の話に結び付けて「筑波大の選手にも家族がいるのだから謝れ」など、もう無理矢理炎上させようとしているのではないか、と思えるようなところまで発展しています。

 2年前までは高校の先生(中学校の副校長でもありました)だった黒田監督。Jリーグで戦うようになってまだ2年目、J1はチームとともに初めて、それなのに首位に立ち、しかも時に揚げ足の取りやすい台詞を語ってくれるという黒田監督は、一体どんな人物なのか。

 試合中や試合後の記者会見の表情などを見ていると、いつもしかめっ面で怒りっぽい人間に見えるでしょう。しかも言っていることが手厳しいので多分、みんな自分が過去に経験した怖い先生のイメージと被ってしまい、よけいに叩きたくなるのかもしれません。

 ところが、試合の前々日にクラブハウスで行われる囲み取材にいった人に聞くと、その人物像が一気に崩れるのだとか。

 そもそもそういう場で監督は 

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