著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

「セーヌ川」は「お台場」と同じ過ちを犯すのか…どちらも下水道流入による水質問題

公開日: 更新日:

 1900年に開催されたパリ五輪競泳はセーヌ川で行われたが、1923年以降は水質汚染によりセーヌ川での遊泳が禁止され、1924年のパリ五輪では屋外プールが会場となった。

 セーヌ川が“母なる川”であるフランス人は3度目のパリ五輪で「泳げるセーヌ川」をどうしても実現させたいようだ。開会式の舞台であるだけでなく、マラソンスイミングとトライアスロンの会場である。競技実施のためには水質検査をパスして、最終的に当該国際競技連盟に承認を得なければならない。

 14億ユーロ(約2400億円)をかけたというセーヌ川の水質改善の目玉は、上流浄水場の整備とともに約5万立方メートルの雨水をためることのできる巨大貯水施設。大雨が降ると下水の一部をセーヌ川に流す仕組みの欠陥を補うものだ。この施設は5月に竣工し、稼働を始めたが、近年まれに見る豪雨のせいか定期検査では水質に合格が出ていなかった。それならとパリ市長のアンヌ・イダルゴは「私が泳いでみせる」と見えを切っていたが、その日はなかなかやってこなかった。

 ところが、7月に入ってからの12日間はほぼ水質基準を満たしている、と市当局が発表。翌日、スポーツ大臣のアメリー・ウデアカステラはパラリンピック仏選手団旗手の大役を果たすトライアスロン選手のアレクシ・アンキャンカンとともにセーヌ川を泳いでしまった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース