著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

IOCは命がけで戦争終結を訴えたロシア人自転車選手の勇気に報いなければいけない

公開日: 更新日:

 国際オリンピック委員会(IOC)は6月15日にパリ五輪に参加できる個人中立選手(AIN)を初めて発表した。

 IOCは2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻後、五輪休戦を破ったロシアとベラルーシを世界のスポーツ界から追放していたが、選手は尊重されるべきであり、国家の罪を選手に負わせるべきでないという考えがあった。

 標準記録や予選の条件を満たし、所属する国際競技連盟(IF)の審査をパスし、最終的にIOCが設けた「個人中立選手資格審査会」が承認した選手は、「中立の旗」の下でAINとしてパリ五輪参加ができる。ウクライナでの戦争を積極的に支援していないことと自国の軍隊とのつながりがないことを証明するために、IFとIOCのダブルチェックを受ける。

 その審査を通過した選手の第1次リストがIOC理事会終了後のタイミングで公表されたのだが、その数はロシア選手14人、ベラルーシ選手11人。驚くべき少なさだ。参加競技種目も自転車のロード種目、体操のトランポリン、ウエートリフティング、そしてレスリングだけである。世界陸連は両国選手の参加を全面的に拒否しており、その他のIFも両国選手の復帰に手間取っていることもあるが、最終リストでもせいぜい今の2倍になる程度と思われる。東京五輪2020ではロシア330人、ベラルーシ104人だった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…