男子4×100mリレー 東京五輪の悪夢を振り払う走順はこうだ!日本メダルは各自己ベストから見て十分あり得る
【パリ五輪】陸上男子4×100mリレー
近年の世界大会は37秒台中盤ならメダル圏内で、日本が100メートルで9秒台か10秒0台の走者をそろえればこのタイムに近づける。自己ベストからみて十分可能だが、6月30日の日本選手権100メートルでは不安要素も見え隠れした。
まず、柳田大輝(20)が中盤に加速を乗せ切れず3位(10秒14)にとどまったこと。10秒02が2度のホープが持ち前の後半の伸びを欠けばメダルはかすむ。
第2に、雨中の決勝だったとはいえ覇者の坂井隆一郎(26)も10秒0台に届かなかったこと(10秒13)。ピッチに切れがあっただけに、メダルを考えれば物足りなさは否めない。
その分、伝統のパスワークの重要度が増す。ロスを極限まで切り詰めた技術はバトンが渡らないリスクと背中合わせだが、東京五輪の悪夢を振り払わなければメダルを手繰り寄せることはできない。
走順はどうするか。オーソドックスに考えると、1走はスタートダッシュが絶品の坂井が順当。エース区間の2走は本領を取り戻した柳田。3走は22年以降の代表レースで実績を積む上山紘輝(25)、滑るようなピッチで日本選手権200メートルを制した鵜沢飛羽(21)もあるが、リミッターが外れたかのような走りでリオ五輪銀に導いた桐生祥秀(28)の力に委ねる案が浮上している。4走は今季も9秒台を出しているサニブラウン・ハキーム(25)の爆発力に期待がかかる。何かツボを得たかに見える走りで日本選手権2位の東田旺洋(28)も捨てがたいがバックアップにとどまりそう。先行逃げ切りという新たな戦略に基づき、サニブラウンの1走起用案もある。