強風のリンクスで日本人は勝てないのか…全英女子で渋野日向子は《何もできず》、予選通過は19人中9人
しかし、強風が吹き荒れた今年の大会を見ると、リンクス開催の全英女子を勝つことが至難の業なのは間違いない。渋野が優勝した19年は内陸の林間コースだった。22年のスコットランド女子オープンに勝ち、今年の同大会も3位と、リンクスに強い古江でさえ、初日は経験したことのない強風に翻弄され3オーバー63位。それが最後まで響いた(通算4オーバー37位)。
欧州シニアツアーに参戦経験があり、リンクスでもプレーしたことがある並木俊明プロは「近年、レベルが上がった日本選手も必ず勝てます。強風時のリンクスは風を信じることです」と、こう語る。
「湿った海風は重く、やっかいです。ハワイやフロリダでは逆風でも高い球を打てば飛んでいくが、リンクスは強い追い風でも落とされる。その影響を最小限に抑えるために低弾道の球を打つことは必要ですが、例えばフックボールが持ち球で右から強い風が吹いているとします。キャディーと相談し、『15メートルは左へ流される』と思えば、その風を信じて思い切り右ラフの上へ打っていく。グリーンから強い向かい風が吹き、クラブを3番手上げるケースもよくある。3番手も上げると迷いが生じ、『グリーンをオーバーするんじゃないか』と半信半疑で打つから、グリーンに届かず、手前のバンカーにつかまる。風と自分の決断を信じることです」