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春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

渡辺守成氏はバッハに「I LOVE YOU!」…次期IOC会長の有力候補2人は両極端だ

公開日: 更新日:

バッハの続投を望む声が根強かったが…

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、パリ五輪閉会前の8月10日に開催されたIOC総会で、任期満了となる来年の会長職退任を明言した。

 コロナのパンデミックやロシアのウクライナ侵攻などの不穏な世界情勢を乗り切るには、国連や各国首脳と渡り合える胆力あるリーダーが求められ、続投を希望する声が根強かったが、そのためには五輪憲章改正が必要となる。しかし、それはバッハ自身が進めてきた五輪改革と矛盾する。苦渋の決断だったと思う。

 会長職にはIOC委員であれば誰でも立候補できるが、111人いる委員の中にオリンピックを世界最大規模の総合スポーツ大会として維持し、かつ政治的圧力にも対応できる人材が果たしているのか。スポーツで世界平和構築という理念を実現するための条件だ。

 有力な2人を挙げておこう。

 1人は世界陸連会長でIOC委員のセバスチャン・コーだ。パリ五輪優勝者への賞金授与を勝手に発表し、五輪の伝統を破ったかと思えば、パリ五輪開幕直前にウクライナに乗り込んで、IOCを差し置いてゼレンスキー大統領を五輪に招いた。コーは陸上が五輪第一の競技であるとの自負があり、陸上を軸とする五輪改革を考えている。バッハ改革路線とは全く別の視点だ。冬の五輪を掌中に収めるべく陸上のクロスカントリーを冬季五輪に含め、冬季五輪に多くのアフリカ諸国の参加をもくろむ。賞金授与もロス五輪2028からは銅メダルまでに増やす。五輪が賞金大会になる。

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