著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

渡辺守成氏はバッハに「I LOVE YOU!」…次期IOC会長の有力候補2人は両極端だ

公開日: 更新日:

渡辺守成氏はバッハに「I LOVE YOU!」

 もう1人は渡辺守成国際体操連盟会長である。

 昨年10月にインドのムンバイで開かれたIOC総会でバッハ続投論が出るとIOC委員の彼は、「スポーツは社会に模範を示すべきだ。規律を守り、フェアであるべき。最近、スポーツはスキャンダルでイメージを落としている。IOCは世界のスポーツ組織にロールモデルを示すべきだ。それは良好なガバナンスでなければならない」とクギを刺した。バッハ改革を初志貫徹させる正論である。同時に自らの立候補のための布石を打っていたとしたらなかなかである。しかも彼はバッハに「I LOVE YOU!」と付け加えるのを忘れなかった。東京五輪2020でボクシングの世界統括団体がない中でその運営を任され、やり遂げた渡辺へのバッハの信頼は厚い。

 会長立候補締め切りは9月15日。会長選挙の規定は厳しく国際競技連盟も国内オリンピック委員会も特定の候補者の応援は禁止される。所信表明でIOC委員の賛同を得るしかない。

 彼らの目指す方向は両極端だ。それは、パリ五輪へのロシアとベラルーシの参加に対する2人の態度から明白だ。コーは「スポーツの誠実さやウクライナ選手の健康をこれほど無視する国を五輪に招待することはできない」と両国選手を完全排除。渡辺は「ゼレンスキー大統領が国民を家族のように守るのと同様、私にとっては世界中の体操選手が娘であり息子。全選手が大会に出る権利を守りたい」と個人参加に道を開いた。

 どちらの言葉がIOC委員の胸に響くか? 来年3月、オリンピック発祥の地ギリシャはアテネで明らかになる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…