阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》
「ホントに辞めるの!? 次は藤川監督!?」
選手、コーチ、スタッフは一様に、ビックリ仰天したという。
昨季、18年ぶりリーグ優勝&38年ぶり日本一に導き、今季は2位でCS進出を確定させた阪神の岡田彰布監督(66)が2年契約の満了に伴い、今季限りで退任。後任は、球団OBで「火の玉ストッパー」として日米通算245セーブをマークした藤川球児球団本部付スペシャルアシスタント(SA=44)が最有力候補に挙がっている。
この仰天人事は3日付のスポーツ報知がスッパ抜き、スポーツ紙、一般紙が後追いで報じた。粟井球団社長はこの日、岡田監督の退任、藤川SAへの就任要請などについて明言を避けたが、岡田政権2年間の成績を見れば、続投してしかるべきとの声があったのも確かだ。
まして、チームはこの日、横浜スタジアムで3位のDeNAを相手に、シーズン最終戦が控えていた。12日からはCSファーストステージで、そのDeNAを甲子園で迎え撃つ。シーズン終了を待たずしての一報は、阪神らしいっちゃ阪神らしいが、球団内外で大きな波紋を呼んでいる。
球団の内部事情に詳しい在阪の野球評論家は、岡田退任について、「監督の人事権が親会社の阪急阪神ホールディングス(HD)から、阪神電鉄へ<大政奉還>されたことが大きい」と、こう続ける。
「阪急阪神HDのトップである阪急出身の角和夫会長兼グループCEOは2022年オフ、05年を最後に17年間も優勝から遠ざかるチームを立て直すべく、自身の右腕である杉山健博オーナーを球団に送り込んだ。阪神電鉄、球団による監督案を一蹴し、05年優勝監督である岡田再登板を主導した。その角会長は複数のメディアで発言しているように、監督人事のイニシアチブを握るのは今年までの2年間に限定。杉山オーナーの後任は、阪神電鉄の秦雅夫会長が就任すると聞いています。当初の約束通り、監督人事権は阪神側の手に戻った。角会長は『岡田続投』を望んでいたともっぱらですが、阪神側はかねて『藤川監督』案を温めていた。今回はその意向を尊重せざるを得ないというわけです」