阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》
続投要請があれば受諾も…
それにしても、阪神側に「岡田続投」の選択肢はなかったのか。
「仮に今季、球団史上初の連覇を達成していたとしても、退任は既定路線だったと聞いています」とは、前出の評論家。
「岡田監督は続投要請されていたら、受諾したと思う。チームは連覇を逃し、目標に掲げていた生え抜き中心の常勝チームづくりも道半ばです。今秋のドラフトの人選など来季の編成にもタッチしていましたからね。しかし、球団は2年前に矢野前監督の後任に、当時二軍監督だった平田ヘッドを推したものの、阪急側に一蹴されている。忸怩たる思いがあったのは間違いありません。だからこそ、藤川をSAとしてフロントに招き、岡田監督の任期満了と同時にバトンを託す構想を描いた。球団はシーズン2位が確定した直後、岡田監督に契約更新を打診しない旨を伝えたともいわれている。むしろ、解任に近いといっていい」
かねて阪神電鉄、球団内には、岡田監督に対するアレルギーがあるといわれている。
岡田監督は前任時の08年、巨人に最大13ゲーム差をひっくり返されてV逸した。その過程でフロントとの間にミゾが生じ、続投要請を受けながらも断ったといわれている。
評論家活動では、古巣を愛するがあまり、ときに痛烈な批判を展開するなど、こうした言動に不快感を示す親会社、球団の関係者がいるのも確かだ。
「とはいえ、岡田監督は球団きっての功労者。球団は、何かしらのポストを用意しているようです。が、GMのような編成の要職に就くことはないでしょう。自民党の麻生太郎最高顧問ではないですが、名誉職的なポジションを打診されるのではないか」(放送関係者)
渦中の岡田監督はこの日の試合後、スタンドからひときわ大きな「オカダコール」を浴び、帽子を取って応えたが、報道陣の取材には、試合前も試合後も応じなかった。
監督として、球団歴代最多の552勝をマークした名将は、嵐のように現れて、嵐のように去ることになりそうだ。
◇ ◇ ◇
岡田監督は決して人望が厚かったわけでもないようだ。一時期、阪神は「老将の大暴走状態」で、選手やフロントは困惑、“公開処刑”にコーチも委縮していたという。いったいどういうことか。阪神で何が起きていたのか。
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