著者のコラム一覧
田尻一郎元ソフトバンクホークス広報

1967年、福岡県出身。86年ドラフト外で南海ホークスに入団。88年に引退し、98年まで打撃投手。その後は、一軍と二軍のマネジャー、広報などを歴任した。2023年オフに退団。一軍出場なし。

《摂津正の巻》監督とコーチの意見が対立した先発転向…突然水を向けられて、たまったものじゃなかった

公開日: 更新日:

「おふたりの意見を聞いて、秋山さんの考えもわかりますし、高山さんの思いもわかります。ただ、あくまで一個人の意見で言うなら……先発ですかね」

 と、何とか言葉を絞り出しました。

 摂津の活躍で、他球団のスカウトから感謝されたこともありました。摂津がプロ入りしたのは26歳。秋田経済法科大付高(現ノースアジア大明桜高)からJR東日本東北に入社し、8年間プレー。こうした選手がプロで活躍したことで、「これまでは年齢がそれなりの選手は球団に推薦しにくかったんですが、摂津のおかげで変わりました」と、ドラフトにも影響を与えました。

 なにより、摂津が凄いのは、26歳でも「プロでやりたい」という気持ちを持ち続けられたことです。

 普通、社会人の選手は24歳くらいまでに指名がなければ、「もうプロは諦めよう」となるものです。そのあたりは摂津の根性と自信でしょう。

 僕と高校野球の話をしている時、「昔は理不尽な練習とかあったなあ」と話題になりました。すると摂津は「今の子は『なんでこの練習を?』とか、言いますからね。でも、僕はそれは違うと思う。僕は理不尽と思ってもやってきたんで、野球についてはそれなりの自負がありますから」と言ったものです。

 同じ投手でいえば、僕が「素質だけならナンバーワン」だと思っていたのが、新垣渚です。

【連載】ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松本人志「事実無根」から一転、提訴取り下げの背景…黒塗りされた“大物タレント”を守るため?

  2. 2

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  3. 3

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 4

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 5

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  1. 6

    血税が国民民主党の「ホテル代112万円」に消えた…“浮かれ不倫”玉木雄一郎代表に問われる説明責任

  2. 7

    国民民主党・玉木代表が元グラドルとの隠密不倫を認め陳謝…会見で“勝負ネクタイ”消え、目もうつろ

  3. 8

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  4. 9

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  5. 10

    発掘! 国民民主・玉木代表がハマった“元グラドル観光大使”小泉みゆきの過激ボディー