卓球女子代表新監督は「平野美宇の育ての親」 性格に合わせたオーダーメード指導でスター選手続々輩出
卓球日本代表女子の監督に中沢鋭氏(45)が就任した。
中国・河北省出身で、ミキハウス卓球部や日本卓球協会JOCエリートアカデミーの女子監督を歴任してきた日本女子卓球指導者のエキスパート。いわゆる「中国卓球」の基礎を選手に教え込み、エリートアカデミー女子監督時代には、パリ五輪銀メダリストの平野美宇(24)、木原美悠(20)、長崎美柚(22)らの担当コーチを務めた。
中沢氏の育成術は、選手の性格に合わせた「オーダーメード指導」。エリートアカデミー生はナショナルトレーニングセンターで寮生活をしていることが多く、指導者は練習時間以外にも選手たちとコミュニケーションを取る機会が多い。そこで選手のキャラクターを把握し、指導に生かしてきたという。
かつて、中沢氏は日刊ゲンダイのインタビューで平野についてこう語っていた。
「リオ五輪に出られず、プレースタイルをガラリと変えようと思っていた。ただ、自分のものにするには時間が短すぎて、選考会で初戦負けしてしまった。その失敗があってから、平野には『もし変えたら完全にダメになるかも』という怖さがあった。でも、『若いうちにいろんな挑戦をした方がいい』と説得した。僕がコーチになって2カ月くらいの頃、長いこと話をしましたね。結果が出るまで言い続けるしかないので、粘り強く説明した。スピードやボールの回転量は他の女子選手に比べて優れているので、形になると思った」