車の故障に寝坊 早朝の「トラブル」が起きた時は…

あれは2017年だったかな。女子ツアーの「ほけんの窓口レディース」(福岡CC和白C)のときです。当時は今のキャンピングカーではなく、ホンダ「フリード」で全国を巡っていました。会場の近くに車中泊できる施設がなく、コンビニの許可を得て、駐車場の隅っこに止めて寝起きしていたのです。
初日の朝、目覚ましのアラームが鳴ったのでコンビニで買っておいたおにぎりを食べて、「いざ出発」とキーを回したところ、エンジンがかからない。スモールライトがついたままで、バッテリーがあがってしまったのです。試合会場まで車なら5分程度ですが、歩けば30分以上はかかります。時間に余裕がなければ慌てたでしょう。でも、僕はいつもトップスタートの2時間前には試合会場に到着していましたから冷静でしたね。
5時30分にJAF(日本自動車連盟)に電話して救援を要請。車中で待っているわけにはいきませんからコンビニの店員さんに事情を説明し、「仕事が終わるまで戻れないので、すいませんが、今日は1日駐車させてください」とお願いして、車のキーを渡し、ヤーデージブックだけを持ってゴルフ場へ向かいました。
寝坊は1度だけあります。12年ごろと記憶しています。芹澤信雄さんがVISA太平洋マスターズに出場したときです。芹澤さんは御殿場市在住で会場までは愛車ですぐ。大会期間中は芹澤さんの別宅に泊まっていました。その日はどういうわけだか、目覚ましをセットせず、寝てしまったのです。
翌朝、芹澤さんからの電話で目が覚めました。携帯の時計を見たら、出発時間の5分前です。
「梅、そろそろ行くか」
「おはようございます。すぐそちらへ行きます」
落ち着いた声でそう答え、電話を切った瞬間から、ゲームでもやっているかのように急いで着替え、何もなかったような顔で別宅の階段を下りていき、寝坊はバレずにすみました。選手に起こされるキャディーなんて失格ですからね。このときは肝を冷やしました。
藤田寛之さんの専属時代にも電話で起こされたことがあります。ブリヂストンオープン(千葉)のときです。
「おい、何やってんだよ!」
電話の向こうで藤田さんが珍しく怒っています。しまった、寝坊したか!
「すいません、すぐ下ります」
返事をして、着替えて
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