“陰毛禁止”撤回 メジャーでは全身毛むくじゃらがトレンド
メジャーに移籍した日本人選手は、さまざまな習慣に面食らうことになる。とりわけ驚きが大きいのは、「陰毛剃り」の習慣である。野球に限らず、欧米ではスポーツ選手が陰毛を剃ることが常識化している。生やしたままにしておくと雑菌がたまりやすくなり、皮膚病、感染症、毛じらみなどの原因になるからだ。加えて、欧米人は日本人に比べて体臭が強く、陰毛に雑菌がたまると股間の臭いが強くなることも、陰毛を忌避する理由のひとつになっているようだ。
MLBで衛生上の理由から陰毛剃りが推奨されるようになったのは1960年代のことだ。その先駆けとなったのは、球界のモラルリーダーを自任するヤンキースで60年代の早い時期に「ノー・ピュービック・ヘア・ポリシー(陰毛禁止ルール)」を制定し、選手に順守させてきた。このルールがあるため、日本人選手も伊良部、松井秀喜から黒田、田中将大に至るまで、全員がカミソリなどで股間をツルツルに剃っていた。
しかし、MLBではここにきて潮流に変化が見られるようになった。それを象徴するのが昨年3月にヤンキースのオーナーであるハル・スタインブレナーがメディアの前で行った「陰毛禁止ルール撤回発言」である。