メジャー新球団招致レースは本命不在“ダンゴ状態”の様相
2005年以降、フランチャイズの移転はなかったが、ここにきてにわかに動きが見られるようになった。今年6月、タンパベイ・レイズは、成績が良くても客の入りが極端に悪いことを理由に、来季からホームゲームの半分をカナダのモントリオールで開催すると発表。シーズン前半は主に温暖なタンパベイ(フロリダ州)で試合を開催し、夏場は冷涼なモントリオールでのゲームを多くする計画だ。
その一方、MLBは数年のうちに球団数を2つ増やす方針を固め、候補地の選定を進めている。有力候補はメキシコシティー、米ネバダ州ラスベガス、オレゴン州ポートランド、テキサス州のサンアントニオとオースティンであるが、この5都市には、それぞれハッキリしたプラス面とマイナス面があるため、抜きんでた都市がなく本命不在のレースになっている。
○メキシコシティー
米国外の市場開拓に熱心なマンフレッド・コミッショナーが推進役。人口900万人の大都市で市場規模も大きい。
標高2250メートルの高地にあるため打球が信じられないほど飛び、投手の地獄となる。治安が極端に悪く、移動に時間がかかるのはマイナス面か。